はいドーモ(^^)/
精神科看護師のささやんです!!
今回は睡眠薬ということで精神科勤務者なら誰しもがかかわってきた薬剤だと思います。
一般科でも術前投与や不眠時などで内服しますね( *´艸`)
今回はそんな身近にあるお薬について解説していきますね!!
睡眠薬の歴史
睡眠薬は以前はバルビツール酸系薬剤が以前は使用されていました。
このお薬は事故と自殺目的での大量服薬が問題となっていました。
だから、睡眠薬は自殺に使われるってイメージが強いんだね!
沿いした背景もあり1960代に新しい睡眠薬が登場しました。
それがベンゾジアゼピン系薬剤です。
当時としてはバルビツール酸系薬剤に変わる安全な睡眠薬として登場しました。
ベンゾジアゼピン系薬剤には催眠作用だけでなく、必ず抗不安作用、筋弛緩作用がある事もわかりました。
その3つの作用のうち、筋弛緩作用は他の2つと比べて際立った効果として現れないため、
催眠作用、抗不安作用のどちらが強く効果が出るかで
催眠作用>抗不安作用を「睡眠薬」
抗不安作用>催眠作用を「抗不安薬」
として分類されるようになったのです。
これらの薬剤は現在も処方される事が多く、第一線で使用されています。
睡眠薬が分かる
不眠は日本の成人人口の約20%が経験したことがあるというデータがあります。
睡眠障害のケースの多くは、日中に眠気がひどいため、学業や仕事に集中できないといった支障が出たり、交通事故を起こしたりと個人の問題だけでは済まされない、社会問題へと発展しています。
そういえば、睡眠薬を飲んで交通事故を起こした人気芸人がいましたねーww
また、メンタル障害では不眠の問題は付き物です。
しかし、不眠にはただ「睡眠薬を内服すればいい」といった安易な考え方は依存症のリスクを招きます。
では治療はどのようにして行われていくのかを解説していきます。
不眠の原因??
不眠には様々な原因がありますが「眠れない」という自覚自体がストレスとなり、そのストレスが緊張状態を誘発し、さらに眠りにくいという悪循環を起こしているケースが非常に多いようです。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬はこの緊張(神経の興奮)を抑え、リラックスさせることで眠りを発現させるように薬理デザインされています。
なので適正量を服用する限りでは、強制的に眠らせるほどの力は持っていないのです。
過料に服薬すれば強制的に脳の機能をダウンさせることはできますがそれは「気絶」と同じ状況です。
覚醒した際は体はだるく、激しい頭痛を伴うことがあります。
なので、まずは薬物療法を始める前に、睡眠環境を整えましょう!!
それは入院している患者が使用する不眠時にも同じことが言えますね。
睡眠薬を使用するのにも説明をしなければ依存症のリスクとなります。
・自分で眠れる機能が失われたわけではない。
・音、室温、湿度、寝具などできる限り眠りやすい環境を整える睡眠環境整備が大事
・必ず眠れると思ってリラックスして睡眠に臨む
・眠れんかったと感じるとき、それはどのような状況だったかを把握する
・睡眠薬は基本的に睡眠のスイッチを入れてくれる”だけ”もの
・眠れそうなときに無理に睡眠薬を服用する必要はない
・効果が実感できないときでも、自己判断で増量しない
このような説明は大変重要になってきます。
数年前からベンゾジアゼピン系の依存問題が社会問題化されてきました。
そのせいもあってか、非ベンゾジアゼピン系の薬剤を処方する医師が増えてきているようですが、身体的な依存ではく精神的な依存になる可能性もありますので、十分な説明が必要になってくると思われます。
現在でも主流はベンゾジアゼピン系
環境を整えても眠れないケースでは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でも効果が得られないことが多く、現在も処方の大半はベンゾジアゼピン系です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は半減期によって4種類に分けられます。
代表的な薬剤としては、
超短時間型(約2~4時間)
トリアゾラム(ハルシオン)、ゾピクロン(アモバン)、ゾルピデム(マイスリー)
短時間作用型(約6~10時間)
ブロチゾラム(レンドルミン)、ロルメタゾラム(エバミール)、リルマザホン(リスミー)
中間作用型(約20~30時間)
ニトラゼパム(ベンザリン)、フルニトラゼパム(サイレース)、エスタゾラム(ユーロジン)
長時間作用型(30時間以上)
フルラゼパム(ダルメート)、クアゼパム(ドラール)
などがあります。
睡眠障害のタイプ別治療
睡眠障害治療の第一歩は睡眠状態の鑑別です。
大きく4つの原因があります。
①環境に起因するもの
②心理的ストレスに起因するもの
③精神疾患に起因するもの
④身体疾患に起因するもの
①環境院による不眠には?
薬剤は超短時間型か短時間作用型を選択する(依存に注意)
環境とは温度、湿度、音、照度だけではなく、交代勤務や時差ぼけなども、環境因として挙げられます。
生活に支障のある昼夜逆転の時にだけ、睡眠薬を服用します。
シフト勤務などで慢性的な不眠を抱える人も同様です。
依存に注意して毎日内服するのではなく計画性をもって内服するように説明します。
②心理的ストレスによる不眠
長時間作用型や睡眠効果を持つ抗うつ薬を選択
現代社会ではストレスでの不眠が急増しています。
従来診断では神経症性不眠と称されるものです。
原因となるストレスを特定し、それに対処するのが一番ですが、現代型ストレスは暮らしと表裏一体となっていて、排除できないことが少なくありません。
そのようなケースでは睡眠薬ではなく抗うつ薬や抗不安薬のほうが良い結果をもたらすケースもあります。
③メンタル障害に起因する不眠
長時間作用型かほかの薬でコントロールする。
医療関係者が最もよく接する一般的な不眠は精神疾患によるものでしょう。
統合失調症、アルコール依存症、認知症、気分障害など多くの精神疾患で不眠が見られます。
これらの不眠症状の改善を考えるときはまず主なメンタル障害が安定しているかが重要です。
もし安定しているのに不眠だけが目立つなら、睡眠薬の使用を検討。
メンタル障害に筋する場合は長時間作用型睡眠薬、を選ぶことがい多いですが、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬などで睡眠をコントロールすることもあります。
④身体症状に起因する不眠
睡眠薬を踏まえた個別対応をします。
身体疾患の治療が第一です。
また、ほかの薬剤で不眠を引き起こすの可能性があり、
降圧剤、β遮断薬、抗パーキンソン病薬についてもその例としてあります。
こういった場合はそれぞれの状態に合わせた薬剤選択が重要になります。
まとめ
今回は不眠に対する考え方や睡眠薬を用いた治療について解説しました。
次回は睡眠薬の副作用に注目して解説していきます。
コメント