はいドーモ(^^)/
精神科看護師のささやんです!!
今回は認知症看護の新しい?ケアメソッド ユマニチュードについて解説します。
認知症のBPSDに対してどう対応するの??
薬が第一選択なの??
人間らしい扱いって何??
認知症高齢者は非倫理的な対応を取られることも少なくありません。
身体拘束や愛称呼び、タメ口、自己決定を無視した支援プライバシーの侵害・・・等々
そんな認知症高齢者に対してどう対応すればいいのか。
ユマニチュードは技法ではありますが哲学です。
認知症高齢者だけでなく、すべての人に通ずる考え方です。
今回はそんなユマニチュードの考え方をご紹介していきたいと思いいます。
ユマニチュードとは??
フランスの二人の体育学の専門家である、E・ジネストとR・マレスコッティが開発したケアの技法です。
4つの要素「見る」「話す」「触れる」「立つ」を4つの柱としてケアの方法をまとめました。
そして、ケアを一つの物語のように一連の手順で完成させる「ケアの5つのステップ」で構成するケア・コミュニケーション技法を編み出しました。
ユマニチュードは理論が先行したのではなく、ケアの現場での幾多の失敗から誕生したものです。
ユマニチュードは相手のことを大切な人であると伝える技術です。
どんない相手のことを大切だと思っていても伝わらなければ意味がありません(´;ω;`)
優しくしたいと思っていてもその気持ちが相手に理解できるように伝えなければ、相手に届きません(´;ω;`)
どのような技術を用いて、「あなたのことが大切だ」と伝えるか。
その方法を解説していきたいと思います。
「見る」「話す」「触れる」「立つ」4つの柱
ケア技術自体は40年で400個以上生み出されたと言います。
その中でもほんの一握りの方法をご紹介します。
「見る」
・同じ目の高さで見ることで「平等な存在であること」
・近くから見ることで「親しい関係であること」
・正面から見ることで「相手に対して正直であること」を相手に伝えています。
・逆にベッドサイドで寝ている人に立って話しかけるとき、見下ろすことで「私のほうがあなたより強い」という非言語の否定的メッセージが届いてしまいますので注意が必要です。
ただ単に相手を見るだけではなく、技術を使ってみることで相手に届きます。
「話す」
・低めの声で「安定した関係」を表す。
・大きすぎない声は「穏やかな状況」を
・前向きな言葉を選ぶことで「心地よい状態」を実現することができます。
・逆に無言の状況は「あなたは存在していない」と伝える否定的メッセージとなります。なのでどんな声掛けでもいいので、積極的に話をしていきましょう。
ケアの場に言葉をあふれさせる工夫として、自分が行なっているケアの動きを前向きな語彙で実況する「オートフィードバック」という方法を用います。
「触れる」
触れることは相手への非言語的コミュニケーションであり、相手を大切に思っていることを伝えるために技術を用います。
・「広い面積で触れる」
・「つかまない」
・「ゆっくりと手を動かす」ことなどによって優しさを伝えることができます。
触れる場所もコミュニケーションの重要な要素であり、できるだけ鈍感な場所(たとえば背中、肩、ふくらはぎなど)から触れ始め、次第により敏感な場所(たとえば手、顔など)に進みます。
「立つ」
意外と難しいかもしれません。
しかし、人間は直立する動物であり、立つことによって体のさまざまな生理機能が十分に働くようにできています。
さらに立つことは「人間らしさ」の表出のひとつでもあります。
こちらが援助することで、立つ能力は保たれ、寝たきりになることを防げます。
トイレや食堂への歩行、洗面やシャワーを立って行うなどケアを行う時にできるだけ立つ時間を増やすことで実現できます。
これらのことは、「自分でできてる」、「当たり前のことじゃん」と思っている人が多いと思います。
しかし客観的に見た時にそうでないのが現状です。
今まで勤務してきた病院でも、この当たり前の技術が出来ていない人がたくさんいました。
人としての関り方だとおもいますので是非、もう一度意識しなおして、関わることでBPSDの対応が少し楽になるかもしれません(^^)/
5つのステップ
ユマニチュードではすべてのケアを「5つのステップ」で実施します。
step1 「出会いの準備」
自室に入る前などにノックをしたり、声をかけることで、自分の来訪を告げ相手の領域に入っても良いかの許可を得ます。
step2「ケアの準備」
これから行うケアについての説明を行い、ケアの同意を得ます。
※病院や施設では、相手の許可を得ないでおむつ交換や入浴介助などを行っているのをよく目にするので要注意!!!
step3「知覚の連結」
ケアの実施を行うことです。
常に「見る」「話す」「触れる」のうちの2つを行い、五感から得られる情報は常に同じ意味を伝える。
例えば、優しく声をかけているが、見下すような視線を行っていたり、
優しく触れているのに、言葉がマイナスのことを言っていたりなど。
知覚を連結させないと患者は困惑し、混乱をきたします。
step4「感情の固定」
ケアを実施した後に、お互いのいい時間を過ごせたことを共有し次回のケアへ生かす。
感情に伴う記憶は、認知症が進行した方にも残ることが多いです。
「この人は優しい」、「この人とはいたら楽しい時間が過ごせる」という感情記憶をしっかりと残すことで、次回のケアを気持ちよく受けていただける可能性が上がります。
step5「再開の約束」
ケア終了し、そばを離れる前に「また来ますね」と「再会の約束」をします。
記憶ができない方にとっても重要で、約束した内容は覚えていなくても、ポジティブな印象が残っていれば、次回のケアのときに受け入れてくれるかもしれません。
5つのステップを簡単にわかりやすく解説しましたが、こちらも当然のことなんです。
友達と過ごした時のことを想像してみてください。
友達と会うときは皆さんどうしてますか?
メールや電話で連絡し約束をして予定を合わせます。
そして、合ってカフェでお茶なんかして、話が盛り上がります。
解散するときは「今日は楽しかったね。また遊ぼうねー」とお別れすると思います。
大切な相手へ対しての当然の行動になってきます。
まとめ
ユマニチュードの技術を見返すと、特別なことは言っていません。
ただ普通のことだからこそ気づきにくい部分があるのではないかと思います。
僕はユマニチュードを学んで、実践していますがBPSDの対応で他の人には怒りっぽかったのに自分が対応すると穏やかになったり、立てないと思われていた患者が立てるようになったり、患者の笑顔が増えたりというのを実感しています。
ぜひ皆さんも職場で実践してみませんか?!
以上!
ありがとうございました<(_ _)>
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