はいどーも!
精神科看護師のささやんです。
今回は最近読んだ「精神科は今日も、やりたい放題」という本についての紹介を少々・・・
サブタイトルは「医者が教える、過激ながらも大切な話」ですね。
本屋でタイトルを見てビビット来ちゃいまして即購入しちゃいました。
それでは内容を踏まえ解説していきたいと思います。
概要
著者は断薬を主軸としたTokyo DDclinic院長、NPO法人薬害研究センター理事長を務める内海 聡先生です。
この本自体は2012年が初版ですね。
内容はというと、
第1章精神科医学はやりたい放題
第2章私が精神科医学を詐欺と呼ぶわけ
第3章これは病気ではない
第4章精神科に騙されないために
第5章私の実践する「精神科症状」対応策
タイトルからして結構ヤバめだと思っていましたが、中身も相当にヤバそうですよねww
「はじめに」から業界の批判を顧みず出版を許可してくれたとか、どれだけ敵を作っても強く私を支えてくれる妻と娘に感謝しているとか、嫌われるの覚悟で書いてあります。
実際に読んでみると、この根拠は不十分だなと感じるところや、実際に働いてきた環境と照らし合わせると「そんなことないのにな」と感じるところもありました。
が、自分の理想としている治療や対応方法なども解説してくれていたので、読んでよかったと思いました。
今までの精神科医学に違う視点で見ている感じがありすらすらと読めました。
興味を持ったところについて簡単に解説しますので興味のある方は書店にて購入し、具体的な内容をご覧ください。
第1章精神科医学はやりたい放題
この章では精神医学はなぜ生まれたのか、非化学としての精神医学、精神薬について、ある患者の入院体験、精神科医学のやりたい放題について書かれています。
そもそも精神疾患は「脳の異常」というが、精神医学においていまだに疾患の原因は科学的にわかっておらず、薬物の効果についても同様である。
今ある疾患理論、薬物理論というのは、すべて仮設であり、証明されたり、因果関係を導けたりするものが何一つない。
確かに統合失調症を例にとってみても、ストレス脆弱性モデルが原因だと考えられていますが、これも仮設の域を出ていませんよね。
またドパミンやセロトニンなどの脳内の神経伝達物質が関与しているのではないかと言われていますがこれも仮設の域を出ません。
著者はこういった仮設の域を出ていないので「精神医学、精神疾患のすべてが主観であり、医師の人格に委ねられている。」とおっしゃっています。
・診断基準について
「DsM」(精神疾患の診断と統計マニュアル)というアメリカの精神科診断基準では製薬会社と癒着の深い精神科医がや多数決やその日の気分で診断基準を決めたとの話や、薬が先に開発されて、その薬を売るために都合のいい精神疾患が作り出されている」といっています。
精神科は今日も、やりたい放題 P28
本当か嘘かはわかりませんが本当の話だったら怖いし、精神科で働いているのが嫌になってきますよね。具体的な根拠が書かれていなかったので、信じるか信じないかはあなた次第ですが、、、
ちなみに僕は信じませんでしたw
・電気けいれん療法に関して
ECTに関しても根拠が明らかになっているわけではないですし、非人道的な行為と言われていることもあると思います。
著者は電気けいれん療法を受けて改善したと語る人はいなかったと書いています。
しかし、僕も何人もも電気けいれん療法を受けてきた人を見てきましたが、興奮状態になることがあり暴力行為をする人が穏やかになったり、うつ病で薬物療法が効かなかった人が元気になっていくのを見たことがありますので一概には言えないと思いました。
ただ、患者さん本人が良くなっていると感じたかどうかは確認できていなかったです・・・
・精神薬について
精神薬は覚せい剤や麻薬と共通性がある。
・MDMAはセロトニンの再取り込みを阻害する。
・LSDは脳内のセロトニンシステムに働きかける
・覚せい剤はドーパミンを放出し取り込みを阻害する
・コカインはセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリントランスポーターの阻害する
精神科は今日も、やりたい放題 P38~39
これ衝撃でしたね!!
確かに頓服をもらいに来る頻度が多い人もいて、依存的になっているとは思っていましたが、精神的な依存だけではなく、薬事態による依存性もありそうですね。
内田先生のクリニックに転院した事例では
「219例のうち134例(61.2%)の患者がほぼ断薬に成功し、症状も改善した。逆に薬を減らしても、増やしても何の変化もない患者が36例(16.4%)。このことから薬物療法の無意味さを象徴すると同時にこの群が病気ではなく、性格的側面が強いことを示唆している」と書いている。
他には、減薬して悪化し、増薬にて改善したものが20例(9.1%)、減薬して悪化し、増薬して改善がなかったもの12例(5.5%)となっていた。
精神科は今日も、やりたい放題P41グラフより
このデータを見ると副作用のある薬を断薬出来て、症状も改善したならすごいことかもしれない。ただ、減薬して悪化し、増薬にて改善した例が9.1%もいる。
やはり、精神科では薬剤を内服しないと症状が抑えられない人が一定数いると考えられます。
その人達のためにも看護する側としては、薬の作用、副作用、作用機序など理解しておく必要があると思う。
ただむやみに薬に頼りすぎるのはよくないとの結果ともいえるため、注意は必要である。患者の希望通りに頓服を渡すだけであったりするのは、本人のためにならないだろうと思います。
第2章私が精神科医学を詐欺と呼ぶわけ
例えばADHDに関しての一部の表です。
これに関しては僕は結構当てはまったりしちゃいますw
誰にでも当てはまってしまうようなチェックをして、診断の一助に使用するのは僕もどうかと思いましたね。
やはり精神科での診断は慎重に行っていく必要があると感じました。
第3章これは病気ではない
ここでは1例を紹介されましたが、これがまた衝撃でした。
「当時15歳の女子。幼少時は友達の輪に入って遊ぶのが苦手で、偏食が多い子だった。手のかからない子だったが、姉の面倒を見るくらいのしっかりもの。
中学生では成績トップクラスだったが男子生徒からいじめにあい、中学3年生で不登校になった。
その後「一人で家にいると誰かがいるような気がして怖い」と訴えるようになったため、親が精神科を受診させたところ、初期の統合失調症と診断された。
1か月半通院し、ジプレキサを内服した時にはイライラ感が出てしまい、収まらないまま。不信感を持ったため大学病院に転院したが、そこでも統合失調症の可能性がかなりあると言われ、抗精神薬の処方が続いた。一か月しないうちに状態悪化し、家族への暴力行為、自傷行為があり、再度、転院を行った。
入院して2日目うつろな目をしてロボットのように歩く女性、自分の服もロッカーにしまえない。担当医に面談を申し込むも聞く耳をもたない。
新聞で知った内海先生のクリニックへ行ってからは、多量の薬を止め、漢方のみを服用中。通信制の高校に通いながら、大学を目指している。この子はただの内気な少女でしかなったのだ。」
精神かは今日も、やりたい放題P115~118
このような具体例を見てしまうと衝撃を受けますね。
ほんとにこんな医者や病院があるのか?!と疑問に思ってしまうほどです。
精神科で働いているものとして、悔しくも思ってしまいます。
この例に出てきた少女に患者がならないように僕たち看護師も指示薬の乱発での過鎮静を防ぐ必要がありますね。
まとめ
ここまで本の引用と自分の経験からの解説をしてきました。
第4章精神科に騙されないために
第5章私の実践する「精神科症状」対応策
については、また今度記事にしようかと思います。
ほんの一部しか書いていないので気になる方は書店で手に取ってみてくださいね!
僕自身の看護観で、「薬に頼りすぎず、自分の関り、看護で患者の状態を安定させたい」というのがあります。不必要な薬は極力減らし、副作用を抑えたいからです。
自分がかかわった時に症状が安定したらやりがいも感じますしね!
もちろん薬は必要だとは思うのですが、しっかりと作用、副作用を理解していないのに与薬するのはどうかと思っています。
精神科の領域はまだまだ未確定の部分が多く、根拠も薄いのかもしれません。
しかし、今明らかになっていることを最大限利用して取り組んでいく。
考えながら試行錯誤し、挑戦していく。そこがまた面白いところで、やりがいを感じる部分でもありますね!!
最後までありがとうございました<(_ _)>
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