はいども(^^♪
精神科看護師のささやんです。
今回はタイトルにもある通り、認知症の予防について解説します。
日本でも超高齢化社会が問題となり、厚労省から新オレンジプランを策定するなど注目を浴びています。
日本はOECD加盟国の中でも認知症患者率はトップ(2位イタリア、3位ドイツ)になっています。
ちなみに認知症が少ない国はフランスやインド、西アフリカ地域となっているようです。
実際、今勤めている病院でも認知症の入院患者が増える一方です(´;ω;`)
認知症予防とは??
認知症予防とは発症を遅らせることです。
年齢を重ねるごとに認知症の発症リスクは上がっていきますが、
脳の老化するスピードを遅くすることが予防になります。
アルツハイマー型認知症の年齢別で危険因子と防御因子があり、危険因子を除去していくことと防御因子を獲得していくことが予防になります。
危険因子
0歳~遺伝的要因
40代~悪い生活習慣(喫煙、メタボ、糖尿病、高血圧症、睡眠不足等)
60代~運動不足、脳血管性リスク要因、抑うつ、心的ストレス、社会的孤立
防御因子
10代~高教育
20代~知的職業(ストレスなし)
40代~運動習慣、食事(魚、野菜)、適量飲酒、高血圧治療薬など、睡眠、よく噛む
60代~運動習慣、豊富な社社会交流、知的活動
などがあります。
では具体的な予防法にはどんなことがあるのか・・・
①身体活動
②食生活
③心理ストレス
④生活習慣病
⑤その他
の分野があり一つ一つ解説していきたいと思います。
①身体活動
一番確実な予防法は運動です。
多くの研究では家事や運動で体を動かすことは認知症予防につながると示されています。
骨格筋を動かすと筋から脳へ脳由来神経栄養因子(BDNF)というホルモンを増やせと命令が来ます。
すると、脳はBDNFを産生します。
このBDNFが神経細胞の肥やしとなるのです。
脳で記憶に関係する海馬は次々と新しい神経細胞が生まれている場所です。
この海馬の神経細胞を育ててくれるので、記憶が良くなるというわけです。
また運動にはアルツハイマー型認知症の脳病変(βタンパクやタウタンパクの蓄積)を抑制する働きも報告されています。
ただし・・・運動により認知症のリスクは抑制されますが、その分寿命が延びるため、将来的な認知症のリスクは高めることになります。
②食生活
健康的な食生活を心がけることが第一です。
冒頭で紹介した認知症患者の少ない国、フランスやインド。
フランスは赤ワインが良く飲まれ、赤ワインに含まれるポリフェノールが認知症を抑制。
インドではカレーなどに香辛料が良く使われるため、ターメリックが多く含まれます。
ターメリック中には抗酸化物質が含まれており、認知症予防に効果があるのではと考えられています。
フランスやインドの例で紹介したように、食生活は重要になってきます。
健康的な食生活とは何か??
①総カロリーはやや控えめにし、肥満を防ぐ
②糖質は玄米など消火に時間がかかるスローフードで適度に摂取し、砂糖類は控える
③脂質は製造時に加熱してトランス脂肪酸を含む油や、マーガリンやショートニング等の人口油脂は控え、エクストラバージンオリーブオイルなどの非加熱の油が良い
④野菜と果物から抗酸化物質であるポリフェノールをたくさん摂る。食物繊維も腸内細菌フローラに大切。
⑤納豆、漬物、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品を取る
⑥酒は適量にし、飲むならミリセチンなどのポリフェノール含有の赤ワインにする
これらの食生活が危険因子の除去につながります。
③心理ストレス
不安やストレスで副腎皮質ホルモンが分泌されると神経細胞にダメージがあります。
心配すればするほど神経細胞が壊れるので、心配しすぎないことが重要です。
前向きな気持ちで、快適に暮らしましょう。
そして、周囲の人と楽しく会話し、多くの交流を持ち、孤立しないことが認知症のリスクを減らします。
④生活習慣病
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群は認知症のリスクを高めます。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群は認知症のリスクを高めます。
これらの疾患を予防、治療していけば、認知症リスクの上昇を抑えることが出来ます。
運動や食生活にもかかわってくることなので合わせて気にかけていきましょう。
⑤その他
しっかりと視力や聴力が保たれることは刺激にもなり活動するうえで重要になります。
新聞や本を読む、テレビを見る、他人の表情がわかるなどコミュニケーションに大切になってくることが低下してしまうと、引きこもりがちな生活になってしまいます。
白内障など視力障碍があればしっかり治療し、難聴などがあれば補聴器などを使用するうこともいいでしょう。
また口腔ケアや歯科治療も大事になってきます。
歯がそろっていることや、義歯がしっかりと入っていることで、噛む機能の維持につながります。
しっかり噛めることが海馬の神経細胞の機能維持に役立ちます。
まとめ
認知症予防には規則正しい生活が重要になってきます。
また、認知症になってしまっても、早期発見し、早期介入すれば進行は全然違ってきます。
認知症を早期発見し、しっかりと生活習慣や活動を行っていくことで進行を緩徐にしてくれます。
しかし、活動量が低下し、寝たきりなどになってしまうと、刺激も減り、進行する一方です。
認知症は今後社会問題になるほど重要な疾患になってくると思います。
そうならないためにもしっかりと予防を行っていき、知識を蓄えておくのが大事でしょう!!
ここまでありがとうございました<(_ _)>
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