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精神障害者の地域生活を支える~べてるの理念を参考に~

精神科看護

はいどーも。精神科看護師のーささやんです(^^)/

皆さんは「べてるの家」をご存じでしょうか。

精神科看護をしている人ならどっかで聞いたことがある言葉かもしれませんね!

べてるの家の「当事者研究」というものが流行った時代もありました(^^)

精神科看護師として働いて精神科看護を勉強してくると、べてるの家の考え方に共感できるようになってきたのでご紹介したいと思います。

べてるの家のHP べてるねっとです。

社会福祉法人浦河べてるの家 – 北海道浦河群浦河町築地 3-5-21

youtubeでも紹介されています!!

生活の中での治療にも力をいれているのが興味深いですね!

べてるの家とは

べてるの家は、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。べてるの家は、有限会社福祉 ショップべてる、社会福祉法人浦河べてるの家、NPO法人セルフサポートセンター浦河などの活動があり、総体として「べてる」と呼ばれています。

べてるとは、そこで暮らす当事者達にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有しており、100名以上のメンバーが地域で暮らしています。多くのメンバーがグループホームや共同住居で暮らしていますが、一人暮らしや家族と住んでいる人もいます。

べてるねっと https://urakawa.bethel-net.jp/aboutusより引用

精神障害を抱える人たちが暮らす、生活や仕事の場になっているんですね。

現在、日本の精神科では、外国と比べても精神科の平均在院日数が長い傾向です。

その結果を受けてか、

H16年からは、厚生労働省からは「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が示されています。

H29年には、地域生活中心を基軸に精神障害者が、地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、

医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築にも力をいれています。

こういった時代の流れはありますが、未だに幻聴や妄想の症状が落ち着かず入院している人が多く、

症状があっても受け入れてくれる施設やグループホームは少ないように感じます。

このような現状の中で、べてるの家は興味深い取り組みをしていると思いましたので紹介します。

べてるの理念

・三度の飯よりミーティング ・安心してサボれる職場づくり ・自分でつけよう自分の病気

・手を動かすより口を動かせ ・偏見差別大歓迎 ・幻聴から幻聴さんへ

・場の力を信じる ・弱さを絆に ・べてるに染まれば商売繁盛

・弱さの情報公開 ・べてるに来れば病気が出る ・利益のないところを大切に

・勝手に治すな自分の病気 ・そのまんまがいいみたい ・降りてゆく生き方

・苦労を取り戻す ・それで順調 ・悩む力を取り戻すなどなど

べてるねっとhttps://urakawa.bethel-net.jp/philosophyより引用

色々な理念がありますが、今回は良いなと思った考え方について触れていきます。

詳しいことはHPをご覧ください。

・三度の飯よりミーティング

「話し合う」ということは、大切な自己表現の場であると同時に、支え合いの場でもあります。最近になり意識し始めたことですが患者の自己決定自律尊重を目指していく中で患者が自己表現できる場が少なかったのかなと思うようになりました。

もちろん、自己決定が難しい患者や金銭的な関係、家族関係などいろいろな状況によっても変わってきます。

また、話し合う際に妄想や幻聴のことを話すことで、「症状が改善していない」と退院が伸びてしまう可能性さえあります。これでは、安全に自己表現することは難しいですよね。

だから、「三度の飯よりミーティング」という理念はべてるの家の生命線であると同時に、一人ひとりにとっての暮らしの生命線でもあるようです。

・それで順調

病気や症状を問題としてとらえるのではなく、それによって生じる「具体的な暮らしの悩み」を問題にしています。精神疾患は原因不明なことも多く、症状も多種多様です。

そんな中で、その問題を生き抜くことのほうが生きやすい。

私たちは人生を歩んできた中で、苦労しなかったことはないと思います。

苦労があるのは当然なのです。

・「悩む力」を取り戻す

入院生活を送ってきた患者は病院を生活の場とし、不安や症状による悩みを問題として、取り除くように生活していると思います。

べてるの家では、悩み自体を消し去ることを目的とするではなく、不安や悩みとどう向き合っていくかを考えていきます。

働いていても、問題を取り除くことに焦点を当てていて、その症状や悩みとどう向き合っていくかを患者と話しあってこなかったと気づかされました(´;ω;`)

確かに統合失調症の残遺状態や、慢性化している人の幻聴や妄想を抑えるのは難しいと思います。

このようなときは問題を取り除くというよりは、その悩みを持ってどのように対処していくかを考えていったほうが患者のためになりますよね。

べてるの家では、精神障害をみんなの前で語ったり、仕事の時は堂々とさぼれたり、無理をせずに病気と向き合っていく、自分のやりたいことを行うことで障害とうまく付き合っていくように生活しているんですね。

まとめ

べてるの家の概要・理念を簡単に紹介させていただきました。

精神障害を持ちながら、入院生活から地域社会への移行は困難だとおもいます。

しかし、べてるの家のような理念や考え方に基づけば、病気、症状とどう向き合って生活していくか、何に注意していけば地域で暮らすことができるのか、ヒントになるかと思います。

僕も入職したての頃は、「妄想があってつらいから薬で改善しないと」「多飲水で倒れてしまうから拘束かな?」「幻聴があるからまだ退院はできないんだな」と思っていた時期もありました・・・

最近では、妄想や幻聴があってもうまく付き合えば生活することが出来るのではないかと考えるようになってきています。成長したなw( ^ω^)

べてるの家のある浦河町では、べてるの取り組みのおかげなのか、精神障がい者に対し、理解のある地域になっているようです。

精神障がい者がカフェで働いていたり、施設で働いていたり、、、

どこの地域でも精神障碍者に理解のある地域になってほしいですね。

さらにべてるの家では、自分の苦労の起こり方や自分の助け方などを「研究」していく「当事者研究」の活動を行っています。

その構造はSST、認知行動療法、心理教育、ストレス脆弱性モデル、ストレングスモデル、ナラティブアプローチ、スキゾフレニクスアノニマスなどを基礎としていると言われています。

当事者研究についてはまた別の記事で紹介したいと思います。

それではありがとうございました<(_ _)>

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