はいどーも精神科看護師のささやんです(^^♪
今回は統合失調症についてです。
原因、症状、治療、看護についてわかりやすく簡単に解説していこうと思います。
原因はストレス???
まずは統合失調症の原因からですね。
原因は今のところ不明ですが、ストレスが原因なのではないかと言われています。
「ストレス脆弱性モデル」どっかで聞いたことあるかもしれません。
簡単に言うと自分の持っているストレスの閾値を超えてしまうと発症してしまいますよということですね。
ところでストレスが原因で発症するならPTSD(心的外傷後ストレス障害)はどうなるんだ?て思いました。
どちらもストレスに耐えられなかった状態なのに症状が違うのもどうなのかなと個人的には思っています。
他にも複数の遺伝的な要素があることや、ドパミン系神経の発達不全を想定する神経発達障害仮説、脳の認知・情報処理過程の機能障害仮説など様々な仮説が言われています。
症状
統合失調症には3つの主な病型があります。
緊張型、破瓜型、妄想型の3種類です。
- 緊張型
・筋肉の運動や精神の緊張を中心としたもの。
・10代後半~20代で急逝に発症する。不安や緊張から混乱し著しい精神運動興奮を中心とする。
・思考滅裂、昏迷(外界の刺激に一切反応しない)、緘黙(無言症)、周囲の接近をかたくなに拒否する拒絶症などを主な主症状とする。
・緊張がゆるむと言われたままの言動や行動を繰り返す、反響言語や反響動作を示すこともある。
・これらの緊張が緩和した時、運動爆発が出現することがあり、自傷・他害に及ぶこともある。
この型は陽性症状(幻覚、妄想、思考障害など)が中心で、抗精神病薬が効果的に作用する場合が多い。著しい人格水準の低下には至らず短期間で回復することも見られている。
- 破瓜型(破瓜とはもともと女性の16歳の意味)
・思春期に周囲には目立たず発症していて、退行しまとまりのない思考を示す。
・陰性症状(感情の平板化、人格水準の低下)が中心でいわゆる統合失調症の残遺状態にいたる
・対人関係を避け、通学や社会的場面を嫌ってひきこもるようになることから始まることが多い
・昼夜逆転、独語、空笑などが現れる。
・プレコクス感と呼ばれる独特な印象を与えることがある。(統合失調症者に相対したとき観察者のうちに起こる一種言いようのない特有な感情)
→現在ではあまり使われていない言葉ですね。主観的な感情をもとにした言葉なので、信頼性や妥当性の検討は困難です。しかし、精神科看護師として働いていると、確かに街中を歩いているとそう思えるような方もいたり、統合失調症患者と話していると言葉には言い表せれないような印象を受けることがあります。
・破瓜型は精神療法も薬物療法も目立った効果を上げることが少ないと言われている。
・無為、自閉的な生活を送るが周囲のちょっとした変化なんかで大きく動揺することもある。
- 妄想型
・幻覚妄想を中心とし、特に陰性症状がみられないような、見られても軽いものをいう。
・通常は30代以降で発症し、何回かの増悪を繰り返し、慢性期に移行。その後、人格水準の低下や残遺・荒廃状態を呈する。
・症状の中心は被害妄想関係で言語性幻覚が多くみられ、体感幻覚は少ない。
これらの3つ型の他にも、前兆期(不眠、焦燥感など)・急性期(不安、不眠、幻聴、妄想など)・消耗期(休息期)(残眠感、倦怠感、意欲の低下など)・回復期(ゆとりが出てくる)に分けられます。それぞれの病期でも特徴的な症状が認められます。
治療
統合失調症の治療には、薬物療法、精神療法、社会療法(リハビリ療法)の統合が必要である。
薬物療法・・・
抗精神病薬の副作用は代表的なもので言うと、錐体外路症状や高プロラクチン血症、抗コリン作用による口渇や消化管運動抑制など。発熱や筋強剛や意識障害をきたす“悪性症候群”は致死的になることもあるため注意が必要。
精神療法とは・・・精神療法とは「ことば」による援助である。精神療法には3つのタイプがある。支持療法、表現療法、洞察療法である。
- 支持療法
・最も用いられている精神療法であり、再保証・助言・感情表出・環境調整などの技法を用いて心理防御システムを強化する。
・対象は主に現実のストレスにうまく対応できない患者。治療者は能動的に患者に関わり、関心を持って耳を傾け、温かみを持って悩みに共感し、患者が進めべき方向を見つける手助けをする。
- 表現療法
催眠療法(解離性障害や転換性障害に有効とされる)、音楽療法、箱庭療法、遊戯療法など様々な方法がある。
- 洞察療法
・患者自らが新しい生き方を選ぶ療法。
・治療者は患者の抱えている孤独や存在の頼りなさに共感し変化があるのを待ち続ける。
・本質はあらかじめ答えを用意するのではなく、世間がが望む方向に導くのでもなく、未来に開かれた自由を患者に取り戻させることである。
社会療法、リハビリ療法とは・・・デイケアや作業療法、SST(社会生活技能訓練)、心理教育などを通して、病気の症状で生じる「生活のしづらさ」を改善し、スムーズに安定した生活を送れるようにすることを目的に行う。
看護
精神症状は個人個人で程度や内容も違い、「この症状にはこれ!」といった看護の方法があるわけではないと思います。
看護師の役割としては、病気による生きづらさ・生活のしづらさを抱えている患者の生活の補助、不安や表出できる環境整備、病状をアセスメントしコミュニケーションによる心理的ケア、、、色々です。
また、看護師によっても持ち味が違いますし正解はないのかもしれません。看護師、患者にあった関り考えることが重要です!そこがまた面白くやりがいを感じれるところではあると思うのですが・・・(^^)
ただ、精神科という環境だと、個人の尊厳を守れなかったり、意志を尊重できなかったりということも見かけます。
倫理的なところが根源でありそれを守っていれば自ずと精神科看護につながるのではないかと思っています。
精神科看護の中でも、オープンダイアログ、ストレングスモデル、認知行動療法、スキーマ療法など様々なケアの技法やかかわり方があります。
各々の詳しいことはまた今度(^^)/
それではありがとうございました。<(_ _)>
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