はいどーも(^^)/
精神科看護師のささやんです!!
精神科と言えばどんな印象でしょうか?!
精神科と言えば暴力とか振るわれそうで、身の危険を感じる・・・
危ない患者ばっかりいるんでしょ・・?
こわいなあ(´;ω;`)
なんて意見が多いかと思います。
そこで今回は精神科での経験や暴力についての研修などを生かしてどう対応していけば良いかを解説していきます。
精神科医療現場における暴力
医療現場における暴力は年々広がる傾向にあり、社会問題にもなています(´;ω;`)
中でも精神医療における、患者間、患者看護師間の暴力被害は深刻であり、安全対策の最重要事項です!
暴力被害は身体問題のみならず、場合によっては長期にわたるPTSD(心的外傷後ストレス障害)になり、就労困難や退職・転職につながるものでもあります。
精神医療現場での暴力の原因は??
原因は様々で、
1,病識、強制入院
2,処遇
3,環境
4,患者-患者関係、患者ースタッフ関係
5,職員の対応
6,精神症状
7、その他
の七つがあげられます。
①病識、強制入院
精神保健福祉法では本人の同意がなくても、入院の必要性がある場合、
家族の同意があれば、精神保健指定医は患者を入院させることが出来ます。
病識がある人は不調感があれば自発的に入院することが出来ますが、
病識がない人は、強制的な入院になっている人が多いです。
そのような入院患者は、「なぜ自分がこんな所に入院しなければならないのか」
と思っているはずです。
病識を欠く患者が意に反して入院させられることは納得がいかず、イライラや怒り、不安が増強し、攻撃性が増します。
なので対応としては病状はもちろんの事、「自分がなぜこのような状況になったのか」を理解してもらう必要があります。
そして、それを改善するための努力を惜しまない事も必要です。
②処遇
入院後は隔離や身体拘束といった処遇の可能性があります。
隔離とは、精神保健指定医の診察により、本人、または周囲の者に危険が及ぶ可能性が著しく、隔離以外の方法ではその危険を回避することが困難であると判断された場合に、本人の医療または保護を目的として行われます。
精神科のイメージにある鉄格子のついた部屋なんかは隔離室ですね。
ただ、そんな部屋は最近は減少傾向にありますのでご安心ください(^^)
身体拘束とは、患者の四肢や胴体などを拘束帯を用いて、ベッドに拘束することです。
対象となる患者は
1)自殺企図、または自傷行為の著しく切迫している
2)多動または不穏が顕著
3)そのほか精神障害のため、そのまま放置すれば、生命にまで危険が及ぶ恐れがある場合
があります。
代替方法が見つかるまでのやむを得ない処置であり、できる限り早期の方法に切り替えるように努めなければなりません。
この隔離や、身体拘束の話を聞いたらあなたならどう思うでしょう。
少し想像してみてください。
危険が及ぶからとトイレとベッドマットしかないような、何もない隔離室に閉じ込められたり、
腕や足をベッドに縛られて、動けないようになり、痒いところを自由に掻くこともできず、尿や便はおむつですることになったり、、、
自分だったら暴力を振るいたくなる気持ちもわかります。
だからこそ、隔離や身体拘束の患者には攻撃性が出現する可能性があり、十分対応に注意しなければなりません。
そして、早期の拘束や隔離の解除が必要になってきます。
精神科の看護師は、人の自由や尊厳といったことを第一に考えなければなりませんね!!
③環境
精神科では閉鎖病棟といって自由に外に出入りが出来ない病棟があります。
そんな病棟に入院させられてしまうと、狭い空間に閉じ込められた感じがあって息が詰まりますよね。
そして、入院生活では毎日同じような生活を送り、いろんな病気の人がいたり、プライバシーが保てなかったりします。
入院生活では制限されることも多く自由が利かないです。
そんな生活をしていると、イライラ感やストレスがものすごく溜まってくるかと思います。
それは強制入院の患者だけでなく、任意で入院してきた患者も同様にストレスがかかります。
なので入院患者はこのような不安や不満、ストレスを抱えて生活を送っているんだなということを忘れずに看護・介護にあたらなければなりません。
プライバシーの配慮であったり、
マンネリ化した生活を送る事のないようにリハビリやレクを考え気分転換を図ったり
話を傾聴し、ストレスの軽減に努めることが重要になってきます。
④職員の対応
暴力や攻撃性はスタッフの対応が原因で起こることもあります。
1)患者の自尊心を傷つける
2)細かく注意していく
3)要求を拒否したり、無視する
4)未熟な対応
5)高圧的な言葉遣い
6)患者間のトラブルへの未介入
7)患者によっての差別
なんかがあります。
病棟で勤務しているとうよく見かけるものもあります。
例えば
トイレに行きたいと言った認知症の人に・・・
歩けないんだからオムツにして!!今忙しいんだから!!
と高圧的な言葉づかいで、おむつに排泄をさせ自尊心を傷つけ、トイレに行きたいという要求に対して拒否をする。
最悪ですね。
こんな対応している人がもしいたら今すぐやめましょう!!!
そして見かけたらすぐさまそのスタッフには注意するようにお願いします<(_ _)>
あとは
細かく注意する看護師なんかも見かけます。
入院生活で少しでも自分のやり方にそぐわない患者がいると注意して直そうとします。
患者には患者のやり方があったり、薬の副作用でぼーっとしたり、忘れっぽくなっている人もいます。
ミスがあったら言われなくても分かっていることまで注意されたらイラっときませんか??(笑)
それも攻撃性を高める原因となりますので注意しましょう!!
⑤精神疾患による攻撃性
精神疾患には様々な疾患ががあります。
1)統合失調症、2)躁うつ病、3)器質性精神病、4)認知症、5)発達障害、6)パーソナリティー障害など病気によっても症状が様々です。
1)統合失調症では多くの場合、幻覚、妄想、精神運動興奮といった陽性症状が暴力に関係しています。
病識が欠如している人も多く、治療に拒否的になっている場合などは特に攻撃性が高まるので注意が必要です。
2)感情障害(躁うつ病)の躁状態の患者は激しい興奮性を伴っていますので、攻撃性が高まるのは当然とも考えられます。
しかし、躁うつ病のうつ状態の患者でも、衝動性や攻撃性が見られることがあります。
抗うつ薬により衝動性や攻撃性が増す場合もあり予測が困難なケースもあります。
3)器質性精神病は脳に何らかの障害(各種脳炎や頭部外傷後の後遺症)があって起こります。
急逝・慢性に経過する脳の変化に基づいて精神症状が現れます。
脳の機能異常により攻撃性が見られることがあります。
機能障害の場所によっては突発的な暴力行為が見られたり、
ヘルペス脳炎後遺症などの扁桃核過剰機能では、外部刺激に過剰反応し、爆発的な暴力が起こることがあります。
4)認知症疾患
認知症においては認知機能障害の結果、曲解や誤解を生じやすく、前頭葉機能低下による情動変化により、暴力や暴言が問題となります。
代表的なものは、
アルツハイマー型だと「ものとられ妄想」
レビー小体型だと、「幻視や体系だった妄想」
前頭側頭型だと「衝動行為」
血管性だと「易怒性」が良く出現する症状です。
これらの将校は環境や身体の状態が関係することが多く、刺激を避けて、環境を改善していくことで問題行動が減る場合も多いです。
5)発達障害
発達障害には
汎用性発達障害と言われる、アスペルガー症候群や自閉症、注意欠陥/多動性障害、学習障害
などがあります。
注意・欠陥多動性障害では衝動性のコントロールに問題のある場合が多く、また汎用性発達障害の場合は不測の事態に起こよるパニック状態となって暴力行為に至ることがあります。
障害の特性を良く理解し、特性を捉えた予防策を立てていくことが重要です。
6)パーソナリティー障害(PD)
パーソナリティー障害にも様々な種類があり、
妄想性、分裂病性質性、非社会性、情緒不安定性(自己愛型)、演技性(境界型)、強迫性、
不安性(回避性)、依存性があります。
境界性PDでは、著名な衝動性お勘定不安定性による激しい攻撃的言動があり、
自己愛性PDでは、注目の中心にあろうとして、常に他者からの批判を受け付けいない傾向により攻撃性があり、
反社会性PDでは、きわめて反社会的な行為としての暴力、
妄想性PDでは。過敏性、頑固さ、不信に基づく他者への攻撃性がなどが問題になる。
パーソナリティー障害では他者に対する共感性の欠如が問題となることが多く、内省を促す関りが重要になる。
まとめ
正直、精神科病院では暴力が多発しています。
先ほど紹介したように、病識の欠如や入院に対する同意の有無、治療環境や処遇、疾患の症状、さらにはスタッフと患者間の人間関係、職員の対応まで様々な要素が考えられます。
まず最初に改善できることと言えば、スタッフの対応からだと思います。
暴力行為から患者や自分、他スタッフを守るには様々なことの情報収集、アセスメントして対応する必要があります。
精神科勤務の日が浅い人などは予測しにくいことも多々あるかもしれません。
患者の表情や口調、いつもと違う行動など観察を十分にする必要があります。
要素を理解したうえで関わることがほんとに重要になってきますね!!
今回の記事を参考に職場の安心・安全を守っていきましょう!!
以上
ありがとうございました<(_ _)>
今回参考にしたのはこちらの本!!
暴力の対応のほかにも倫理的問題や希死念慮に対しての対応などわかりやすく解説されています(^^)/
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